山留仮設工法

山留めは、地下工事が安全かつ円滑い行われるように、掘削壁面の崩壊や土砂の回り込みを防止するために、設けられる仮設構造物であるから、安全性や施工性はもとより、経済性も同様に要求されます。

山止めは一般に山留め壁体、腹越し、切梁、主柱などの格部材から構成されるが、これらの格部材は、土質や地下水の状態、障害物や埋設物、周囲の状況などを十分調査し、把握したうえで設計しなければなりません。
山留めは、つねに全体の施工計画を考えて設計する事が大切です。


工法について

自立工法

山留壁と地盤の強度のみで壁の安定を計り支保工材を架設しない工法掘削深度が浅い(2~3m)場合に有利。

長所
[1]敷地一杯に構造物を作ることが可能です。
[2]支保工なく施工能率が良いです。
[3]経済的です。
短所
[1]軟弱地盤は杭の根入れが長くなり不適当です。
[2]杭の曲げ抵抗、タワミから、深い掘削は向きません。
[3]掘削、埋戻土量が多いです(段逃げ工法)。
親杭横矢板工法

親杭にH形鋼、レール等を80~150cm程度の間隔に打設し、掘削に伴い横矢板を入れていく工法。

長所
[1]鋼矢板に比べ工費が安価です。
[2]深い掘削も可能です(杭間隔、横矢板厚)。
[3]比較的固い層でも可能です。
[4]支保工に水圧がかかりません。

短所
[1]湧水処理に問題があります。
[2]ヒービング現象の起る様な軟弱粘土層には不適です。
鋼矢板工法 鋼矢板を連続してかみ合わせながら打設した後、内部掘削を行う方法。
長所
[1]水密性が高いです。
[2]深い掘削に適します。
[3]軟弱地盤に適します。
[4]耐久性があり、転用可能です。
短所
[1]連続壁に比べ剛性が低いです。
[2]非常に固い地盤には打込不能です。(オーガー削孔必要)
[3]水圧が殆ど支保工に作用します。
水平切梁工法 複数の切梁を組み立て、剛性を高めて切梁間隔を大きくとる工法。
長所
[1]作業空間が広く、施工能率が良いです。
[2]切梁の変形が小さいです。
短所
[1]切梁加工費がやや高いです。
[2]全体的な土圧のバランスに注意が必要です。


施工写真


読谷処分場 1


読谷処分場 2



那覇沈埋トンネル